介護の現場ではハラスメントが起きやすい

介護の現場において、利用者やその家族からパワハラやセクハラなどのハラスメント行為を受けることが多いのです。
その原因としては、利用者は社会的弱者であり、介護職員の立場上、利用者やその家族に強く出ることができないからなのです。
こういったことにより、介護職員の尊厳が低く見られてしまったり、ストレスのはけ口とされやすく、それがハラスメント行為に繋がるのです。
また訪問系の介護の場合になりますと、要介護者の自宅という密室空間で介護が行われるため、セクハラされやすくなります。
同性介護が対策として望ましいとされますが、厚生労働省による平成28年度介護労働実態調査では、訪問介護員の9割以上は女性であり、男性よりも圧倒的に就労者数が多いです。
そのため、同性介護を実現するのは難しいというのが現状なのです。

ハラスメント行為に対して介護職員一人ひとりが実践できる対処法としては、冷静な気持ちでやめるように言うことです。
もしヒステリックになりながら注意した場合、相手が面白がってしまい、ハラスメント行為がさらにヒートアップすることもあるのです。
よって、冷静な気持ちで言うことが大切になります。
また、事業所内で被害の情報を共有することも有効です。
どのようなときにパワハラが起きたのか、どのようなときにセクハラされたのか、という詳しい状況を共有するのです。
それによって、ハラスメント行為に繋がりそうな状況になることを未然に防ぐことができるようになります。
あらゆる対処を試みて、それでもハラスメントの悩みが消えないなら転職を考えてみるのも良いでしょう。